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  • 湯豆腐のお店さん・豆水楼
  • 湯豆腐のお店さん・豆水楼

    京都ならではのお料理の1つに湯豆腐があります。
    なかでも、豆水楼は湯豆腐で有名なお店ではないかと思います。
    木屋町本店と祇園店の2店舗がありますが、どちらも店構えに風情があり、京都!!と言うイメージ通りの店構えです。
    木屋町本店は、木屋町通りから路地を入った鴨川沿いにお店を構えていますので、
    夏の間はこれも京都ならではの楽しみの1つ川床があり、川床でお豆腐を食べられるお店を自分は他に知りません。
    祇園店は高台寺近くの東大路通り沿いにお店を構えていまして、一見入りにくそうな風情のある店構えですが、1歩踏み込む勇気さえあれば、老舗なのにある意味気軽に美味しい湯豆腐を頂けます。

    正直、豆水楼を知らなかった自分は、今思えばかなり失礼な格好で祇園店に行ってしまいました。
    地図を参考にお店に到着した時、その店構えを見た時には自分のその格好を本当に後悔しました。
    夏でしたのでダメージジーンズに白の半袖Tシャツ、ビーチサンダル、失礼極まりない格好でした。
    事前に予約をさせて頂いてたので、1歩踏み込む勇気は比較的容易に歩めましたが、
    もしもたまたま通りがかって湯豆腐が食べたいからと、その格好とあの店構えでは1歩踏み込む勇気は自分には湧かないです。
    京都はお店によってはドレスコードがあり、老舗と言われるお店ほど服装に気を付けて行かないといけません。
    ジャケットを持ち合わせていない海外の方にはジャケットを貸して下さるお店もありますが、そんなお店はほんの一握りで、実際にお店に入れなかったという話も聞いたことがあります。
    老舗、そして京都と言う土地柄、「一見さんお断り」と言うあのフレーズは観光客にとってある意味脅威に感じてしまいますので。

    自分は京都が大好きなので、少なからずその辺りは理解していましたが、甘く見過ぎていました。
    言い方が悪いですが、湯豆腐を食べるのにドレスコードなんて・・・と考えていた派です。だからと言って着替える事も出来ずに、思い切ってお店に入ってみると、予想通りキレイな着物姿でスタッフの方が出てきてしまいました。
    第一印象があまりにも悪い格好でしたので、先手を打って質問をさせて頂きました。
    「申し訳ありません。予約をさせて頂いてます○○ですが、こんな格好で来てしまいました。大丈夫ですか?失礼にあたりませんか?」と。
    その年配のスタッフの方は笑いながら「お待ちしてました。お気になさらずにどうぞおあがり下さい」と。
    実際にどう思われたのかは分かりませんが、きっと気分は良くはなかったはずです。
    しかし、格好だけで判断せずに対応して頂いた事にはただただ感謝しかありませんでした。広いお部屋に仕切りで区切られているテーブルで、他のゲストも沢山いましたが、全員カジュアルスマートの格好ばかり。
    裸足で歩いてるのは自分だけなのは一目瞭然でしたが、他のゲストと同じように接して下さった印象しかありませんでした。
    きっと、そう見せる・思わせる事が出来る接客をスタッフの方がさりげなくして下さっただけと思いますが。

    お料理は勿論美味しくて、
    おぼろ豆腐がこんなに美味しいのかと知りましたし、湯豆腐を何度かおかわりをさせて頂きましたし、生麩が好きな自分は追加で沢山頂きました。
    最初に対応されていたスタッフの方が色々と対応して下さったので、最初に自分から先手を打っといて良かったとも思いました。
    事あるごとにいじわるな笑顔で自分の格好を面白くイジッてもらいましたので、とても楽しい時間となりました。
    「裸足で歩くからこそこの畳の良さが分かるんですよ」や、
    「暑い日にジャケット着てるなんて京都の夏を甘く見過ぎですょ」、
    「美味しく頂いてもらえてるならそれだけで十分なので、次はパジャマでお越しになって下さいね」など、
    逆に色々と気を遣ってある意味それを楽しんで下さっていたのか、京都特有の「いけず」かは分かりませんが、自分は前者だと思いたいです。
    京都には入りづらいお店が数多くあるのが正直な感想ですし、それが当たり前とも受け取られる土地柄ですが、
    京都だからこそ味わえる雰囲気でもありますので、その全部を楽しんでほしいと思います。

    仕事で海外からのゲストに豆水楼を紹介し、予約してあげて、出発する前に今一度念を押しときました。
    「ちゃんとシャツを着て、ジャケットも着て、持ってないならユニクロで購入してからお店に行きなさい。」
    「ジーパンなんて絶対ダメ、サンダル?論外、京都はドレスコードにすごく厳しいんだからね」って。
    決して自分自身への反面教師ではなく、経験値という財産を元にした的確なアドバイスです。

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