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    鶴屋吉信は1803年に創業した約215年の歴史を持つ和菓子の老舗です。
    200年の老舗は京都では決して珍しくなく、しかも、老舗の和菓子屋も多い方です。

    今回取り上げている鶴屋吉信は、従業員550人で全国の百貨店に80ヶ所の直販店を持つ業界では最大手であります。
    長く続けている秘訣と企業哲学についてうかがいました。
    鶴屋吉信も他の老舗と同じく長い歴史の中で幾千もの危機を乗り越えながら続けており、そのたびに企業として強くなってきました。

    経営理念の徹底から品質維持と京都の美意識からものづくりへ

    1803年創業し、初代社長である鶴屋伊兵衛は当初から営業と販売、製造を分離した形で、禁裏・宮家・茶道家元・有名寺社などの御用達をつとめ、業界で名を連なることができました。

    その後も順調に成長を続けますが、戦前、戦後の厳しい時代にも材料を大切にしながら経営理念である
    「よきものをつくるために材料、手間暇をおしまぬ事」
    を徹底し、今日までに至っています。

    利益も追及しつつ、これまでの理念を崩すことなく礼儀正しさを重んじ、従業員を大切にしてきました。代々の当主はそれぞれの美意識を持って従業員のものづくりへの姿勢、商品づくりへの厳しさを伝えていったといいます。

    また、京都でのものづくりには、美意識は欠かせないものだと言います。
    パッケージ一つにしろ、着物の色にしろ、日々美を意識した研究には時間を惜しまなかったといいます。

    今後続けるために必要とされる社員による商品開発の風土作り

    新商品の開発表彰は4代目の稲田儀三郎によって作られた制度で、いい商品を開発した時には表彰し新しい商品としてリストに載せて行く制度です。しかし現状では社員からの商品開発が見られないことが今後の課題としてあると言います。伝統を守るだけでは続ける秘訣にはなりません。続けるためには時代と顧客ニーズに合わせた商品開発が必要だと言います。

    イノベーションの目的は利益ではなく次にバトンタッチをすること

    昨近京都駅の八条口にIRODORIという店舗をオープンさせていますが、百貨店での販売ではなく駅構内の直営店で、これまでの顧客層とは違う20代30代の若い世代をターゲットにした店舗です。

    ここでは、和菓子の壁をなくしスナック菓子感覚で和菓子を楽しんでもらうために様々な工夫をし、和菓子を親しみやすくしたことで多くの若い客層の取り込みに成功し、順調に売り上げを伸ばしておられます。

    和菓子をもっと親しみやすくすることで、その和菓子に伝わる物語も伝えることができる、そうすることで従来の和菓子の良さも伝わるし、今後も京都の和菓子の老舗として続けることができると考えられます。

    持続するための工夫とイノベーションのための工夫

    持続するためには、これまでの材料へのこだわりや品質を落とさず、従来通りのハイエンドな顧客を取り込みながら、和菓子ブランドとしての努力をする一方で、新たな材料への挑戦、新ブランド作り、デザイナーを使った斬新なものづくりへの挑戦という和菓子の将来を考えた企業戦略、企業努力を欠かさないことが求められます。最大手の和菓子老舗ならではのバランスの取れた経営を目指しています。

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    この記事を書いた人
    京都100年企業
    林 勇作

    1965年8月28日生まれ
    大阪市出身

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