019年5月1日、新天皇の即位とともに元号が変わる。
菅官房長官の発表までに、多くの方の知恵と見識が注ぎ込まれたであろう元号「令和」には、辛い時期を耐え忍び、ついに大きく花開くという意味が込められているという。
この意味を聞き、母校の同志社大学に伝わる創始者新島襄作「寒梅」という漢詩を思い出した。
明治初期の混沌とした時代に生き抜いた彼は、その先に光を見出していたのだろう。「寒梅」にはその想いが込められている。
「庭先にある一本の早咲きの梅が、きびしい風や雪の寒さにもめげず笑うが如くに開いている。
一番咲きを争うこともなく、また特に努力するでもないが、それでいてあらゆる花のさきがけとなって咲いている。まことに謙虚な姿であり人もこうありたいものである。」
翻って「令和」に込められた想いがはどのようなものであるのであろう。
安倍首相は発表後のコメントで、「一人一人の日本人が明日への希望とともにそれぞれの花を大きく咲かせることができる、そうした日本でありたい」と述べられている。
それは日本国民一人一人が大志を持ち、その実現のために熟慮し、実践し、そして自分のあるべき場所で、謙虚な姿勢で百花の先駆けとして花開く。
それは個性の時代に自分が一番輝く場所で自立することを意味する。
そんな印象を新元号に感じた。