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    訪問して知り得た情報、なるほどと感心したこと

    1.事業の成り立ち

    家業としての竹材製造と加工を生業として 130 年余り。ずっと続けてきたのは真心による商売ですというのは、次期後継者で五代目となる三木崇司氏の言葉です。細く長く、身の丈にあった事業を行うことで、今日まで続けさせて頂いていると思います。

    しかしその歴史はやはり時代とともに変化してきました。当初は竹材の切り出しと運搬業からの出発でした。明治の 10 年が創業の三木竹材店は昭和の初め頃からトラックを所有し、その当時一般的であった河川を中心とした海運ではなく、先端的に自動車による陸運を取り入れていたそうです。そのため配送時間が短く、大変需要があり、大きく伸びた時期でもあったようです。

    そのうち自動車も一般的になった頃からは、生活様式の変化とともに、竹の需要も変わり、竹材の加工を始めました。その流れが今日も変わらず、竹の伐採から加工、施工、ものづくりまで、幅広く手掛け、今も続いているということです。

    2.竹の種類

    竹の種類は実に多く、世界には 1200 種類、そのうち日本に 600 種類があるといわれています。なぜ日本にこれだけの種類が集まったのかは謎ですが、生産の北限が日本だということもなにか関連しているのかもしれません。

    主なものに日本原産の古来からある真竹、中国原産の孟宗竹、これは真竹より太く特に春の孟宗竹のたけのこは食用に親しまれています。孟宗竹の変種であるキッコウチク、これの特徴は節が亀の甲羅状に入っています。あと真竹の変種であるシボチク、これの特徴は表面にシボと呼ばれるたて皺(しわ)があります。
    更に竹材のうち、京銘竹と呼ばれるものは 4 つです。

    ①白竹:真竹を秋に伐採し、寒中に火で焙りながら、油分を抜いてみがきます。
    その後、天日干しで3~5年ねかせます。象牙のような美しいつやと堅牢さが特徴。

    ②図面角竹:孟宗竹のたけのこに角形の枠をはめて育てた後、人工的に斑紋をつけたもの。

    ③亀甲竹:亀の甲のような節を持つ品種で、それを油抜きしたもの。

    ④胡麻竹:孟宗竹を半枯れ状態にして斑点を発生させるもの。

    3.竹の活用

    そしてそれらの京銘竹を使って、日本のあらゆる文化に無くてはならない竹細工、竹工芸品が生まれたのです。
    例えば、茶道における柄杓や花入、剣道の竹刀、弓道の弓、京文化の象徴といえる垣根や駒寄せ(町家の壁に沿って置かれてある楕円の半分の形をした壁の防御柵)。

    建物では格子や床柱、下地、もっと身近なところで扇子・団扇・箸、そしてざる、かご…等々たくさん思い浮かびますが、よく考えればナイロンやプラスチックのない時代の支柱や補強材に始まり、加工のしやすさ、美しさと使いやすさで、日用品から工芸品までありとあらゆる所に利用されていたのです。

    プラスチィックが使われているところを考えれば、無尽蔵ですね。それほど生活に密着していた竹材も最近では伝統工芸品として特別なもののようになっているのも少し悲しいですね。

    4.竹との共生

    竹材の製作工程も詳しくお聞きしました。詳細は省略しますが、秋の伐採から寒中の火焙り、天日干しを終え京銘竹になるまでには 3 年から長ければ 10 年にも及ぶのです。

    また竹材を扱う職人は三木さんも含め、竹を非常に大事に扱います。伐採する前に、この竹はどの商品に合っているか、その適性を見極めてから、最適の時期に伐採し、加工を施すのです。竹薮の竹は1本1本自立しているのではなく、一つの竹薮全体で大家族のように竹は地下の根っこで繋がり、地上では枝葉が支えあって、共存共栄しているのです。

    竹薮の竹は周囲に生えているのは、背が低く太く丈夫で、中心に生えているものになるほど背が伸びしなやかになるそうです。そして風や雨の際には一団としてまとま
    って耐えしのぐようになっているのです。だからそのバランスを崩さないよう竹薮に入った職人は上を見上げながら、刈るべき竹を見定めるのです。

    自然と共生をすることを第一義として、決して人間のエゴで自然を壊してはならないという思いが日本人には元来備わっており、ここでもそれが生きていました。

    5.竹と企業

    三木さんから竹と企業が同じ境遇にあるという大変興味深い事例をお聞きしました。
    昔からよく企業は長くても三代で絶えると言われています。それは時代の流れが変わってついて行けないということもあるでしょうが、創業者の理念が続かないということもあるのでしょう。

    それに対して竹の中では変種の亀甲竹は集団で植えないと育たず、元の孟宗竹に戻ることがあるそうです。三代以上続かせるのは難しく、それ以上続かせようとすると三代目の時に何か特別な施策をしなければならないのです。なんと企業の性質と似ているのでしょう。

    6.竹の特徴

    竹の特徴に触れてみましょう。御存知の通り竹はその成長が著しく早くタケノコから 20数メートルの成竹になるまで 2~3 ヶ月ほどです。それ以降は伸びもせず太りもしません。固さが増すだけです。なぜこれほど早く成長するかは今でも謎のままです。そしてそのしなやかな弾力性は他の木材等にはない唯一のものです。しなりながら決して折れない竹材は弓や竹刀などにも利用されています。

    また加工しやすいという特徴も持っています。曲げる時には熱することで容易に加工できます。油を抜くために数か月水分抜きをした後、火焙りします。ここは職人の腕の見せ所で急がず、じっくりと熱し、焦がさぬように注意を払いながら行います。しっかりと竹から油を出させ、拭き取ります。これが不十分であるとほんとうに素晴らしい京銘竹の色つやが出ず、割れてしまうこともあるそうです。

    その後日光に当てて干すこと 1ヶ月、これでやっとその象牙のような肌の白竹となります。そしてさらに水分含有率を10%以下にするために 3 年から 5 年寝かすのです。カビがつかないよう、そして何百年持つように。

    7.竹から教えられること

    竹は先程も少し触れましたが、一本一本自立しているようで、実は地中は地下茎でつながり、地上では枝葉で支え合っています。皆が協力し合い、一つの大きな家族を形成しています。

    常緑の竹も、実は春に黄葉し、ひっそりと葉を落とします。これを竹の秋と言います。これは次世代の子どもたち、すなわちタケノコのために養分を使い果たすためだと言われています。これは人間も同じこと。竹を見ているとつくづく、だれも一人では生きていけないのだと考えさせられます。私たちは様々な縁があってこそ、生きているのだと感じるのです。

    竹には道具にふさわしい様々な特性があるが、私たちの祖先は、そうした物理的な良さばかりでなく、支えあう竹の姿にも多くのことを学び、魅力を感じたのでしょう。日本人が竹を愛してきたことの根底には、竹への「生き方」への共感があるのです。
    (三木竹材店紹介冊子白鳳堂刊「ふでばこ」より一部抜粋)

    8.三木家に生まれて

    子供の頃から竹やぶに入っていました。そのうち単純作業を手伝うようになり、自然に自分は将来この仕事をやろうと思っていました。

    三木さんの言葉である。そこには祖父、父の後ろ姿が常にあり、竹との会話を通じて竹職人としての自覚、信念が芽生えていったのです。
    うちの製品は誰が作ったのかは関係ない。将来使ってくれる人がこれはいい仕事をしているな、三木竹材店のものではないかと言ってもらえるようになりたいと思うようになりました。

    9.竹と道

    竹は日本の文化に深く関わってきていると申し上げました。それは「道」に通じるのです。茶道、華道、剣道、弓道、書道、香道 etc これらの「道」には竹は欠かせません。

    言い換えれば竹が日本文化を形づくると言っても過言ではないでしょう。
    今の若い方たちに日本の文化、季節を竹を通じて感じて欲しいと思っています。

    ものをいうものづくり
    たとえば、舞妓さんのかんざしは月ごと変わります。着物の柄や帯を見て、季節を感じることが出来れば、自然と会話も弾みます。だから竹を使ってかんざしの形の箸置き付き竹箸を作っています。同じように扇子型マイ箸、筒型マイ箸、一輪差し型マイ箸をシリーズで販売しています。伝統工芸品とは遠い存在ではなく、身近に京銘竹の良さを味わってほしいのです。

    竹の生き方は道に通じます。茶道には作法、剣道にはルールがあるように、竹は自然に従い忠実に生きています。だから人は竹が育ちやすい環境を整えることが自然を守ることになり、良い竹を得ることになるのです。ですからうちの竹やぶはジャングルではなく整然としているのです。他の誰かに喜んでもらえるよう、そして周りの皆に生かされていることに感謝しながら竹は生き続けていくのです。これが三木竹材店の理念である真心の商売につながるように思います。

    三木さんからお話しいただいた中から100年企業になるための3つの仮説の実証検証に当たるものをピックアップさせていただきました。

    Ⅰ.残すべきものと変えるべきものを明確に区分する

    1.残すべきもの:真心の商売

    キャッチボールで言えば、相手はまっすぐストレートを胸元に投げてくると信じて、こちらも同じように投げる。そんな信頼関係の中で商売をすることが創業以来ずっと
    続けてきた経営理念です。

    2. 残すべきもの: 三木竹材店の仕事の質

    いつの時代になってもいい仕事をしている。この製品は三木竹材店のものだと言ってもらえるようにきちんとした仕事をしていくこと。

    3.変えるべきもの:時代の流れに合った感性で提供していく製品を変化させていく。

    食育が必要な時代だからこそ、子供たちに使いやすい竹の箸で正しい箸の取り方、使い方を学びながら竹の美しさを身近に体感してほしい。

    又、日本人として、竹製品を通して敏感に四季を、日本の文化を感じてもらえたらと、多様な箸を提案しています。

    Ⅱ.将来のビジョンを示し、その達成のために必要な人財をトップ自ら育てる

    1. 後継者に引き継ぎたいことは: 竹やぶの中で過ごした幼少期から、祖父、父の後ろ姿が常にあり、竹との会話を通じて竹職人としての自覚、信念が芽生えていき
    ました。

    2. 後継者に引き継ぎたいことは: うちの製品は誰が作ったのかは関係ない。将来使ってくれる人がこれはいい仕事をしているな、三木竹材店のものではないかと言
    ってもらえるようになってほしいと思います。

    Ⅲ.売り手よし、買い手よし、世間もっとよし

    1. 社会への貢献として: 日本文化の象徴である竹の生き方を「道」を通じてもっと世の中に知ってもらい、その中から自分は周りから生かされていること、周りの
    方たちに感謝すること、そして周りの方たちの喜びとなることを行うことを、体験製作や書籍、講演などで伝えていきたいと思います。

    以上

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    この記事を書いた人
    京都100年企業
    林 勇作

    1965年8月28日生まれ
    大阪市出身

    今後の日本の中小企業の手本となる魅力ある強い企業体の創出に最大限の力を注ぎます。会員様と共に永続的な成長と発展を図り、会員様と共に幸せな人生を実現します。

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