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  • 三嶋亭

    夕方でもまだ明るい時期になり、とても心地よいお天気のなか、寺町三条にある三嶋亭の大きな看板の前で立ち止まり、思わず見上げた。

    創業以来そのままの建物が残る三嶋亭の歴史は140年近くである。

    明治の文明開化の心意気を今もすき焼きを通して受け継いでいる。

    三嶌家は現当主の太郎氏で五代目、私と同年代の方で見た目は、お若く見えるが、これまで波乱万丈の人生を送ってこられたことが、この後の社長講演で分かった。

    社会人になり、しばらくして足をケガし、数年リハビリをしていた期間に、人生とは?生きるとは?と悩んだ。

    人生には2つの自由を誰もが持っているという。1つは職業選択の自由、もう一つは結婚相手を自分で探す自由である。そのうち職業について自分は選択の余地がなかったことに矛盾を感じ、旅に出られたそうである。26歳のときである。それも日本から最も遠い地球の裏側のブラジルまで。旅といえば聞こえはいいが、家出のような形だった…

    2ヶ月間の反抗だったそうだが、本当に貧しく、危険な国を体感し、今まで嫌いだった日本という国が愛おしく感じて、見直すきっかけになったそうである。

    先代が15年程前に出張先で目の前で一度倒れ、後を継ぐことを決断された。
    その3年後に先代の父が亡くなられた。また、父の後を継いだ後、多忙になり4年前に倒れた。現在より7年前である。そして、入院を余儀なくされた。しばらくの間、リハビリが必要だった。

    そこからが太郎氏の波乱万丈二幕目である。

    ここからは私の100年企業が継続するための3つの仮説とオーバーラップさせて話を進めてみたい。

    太郎氏は社長になって考えられた。先代の独自性、それはそれ、自分は自分の独自性を出そうと思われた。しかしそれは牛肉にまつわる事件が多発し、そうせざるを得ない事情もあったという。

    BSE 問題、産地偽装問題、そして昨今の口蹄疫。社長になってからというもの大波が来ない年はないというほど経営のかじ取りが難しかったと語られた。

    仮説①変えるべきものと残すべきものを明確に区分し、経営に当たる

    季節の変わり目、時代の変わり目それぞれいかに順応するかが重要。強いだけでは残らない。ダーウィンの進化論は経営にも当てはまる。いかに順応できるかが勝負である。
    ・業績を見て先代が残してくれた支店も統廃合した。
    ・掘りごたつ式やお客様に掛けていただく椅子席を多めにお客様のニーズに応えて、変えるべきものは変えていった。

    しかし残すべきところはいかに非効率的であっても残した。
    今の本店家屋は創業時からのもの。増築しながら、修繕費は多くかかっても壊さない。
    結婚前に初めてのデートで来ていただいたカップルが、次に子供連れで来ていただいた。
    年輩の女性が食事後建物を見て、「また、この三嶋亭ですき焼を食べられて良かった」と、大変喜んでいただいた。

    仮説②社長の将来ビジョンをしっかりと掲げ、そのビジョンを達成するために必要な人材を自らしっかりと育てる

    ・先ず後継者たるもの自ら勉強しなければならない。古いもの、例えば料理店の場合は、いろいろなしつらえなど、その本質を学ぶ姿勢を持つ。お客様へのもてなしの気持ちから始まった。

    ・従業員の皆に働いていただいている。従業員の皆には働かせていただいているという気持ちを心してください、と常に言い続けている。お互いがその気持ちを持ち、自分もその気持ちに心して持って応える。休日も仕事の事を考え、全てはコミュニケーションのためである。こうした自分の人生観に賛同してついてきてくれる従業員を大切に思う。そんな心と心のつながりが従業員を育て、会社を強くする。

    仮説③売り手よし、買い手よし、世間はもっとよし

    世間の定義が今広がっている。世間には従業員、地域住民、社会までも含まれる。世間への貢献が世間との共存共栄の精神を生み、世間とともに企業は育っていく。

    ・太郎氏は言う。無理な節税は一切しない。税金は沢山納める。あとはその税金を本当に役立つ形で使ってほしいと願う。日本という国が衰退することなく、繁栄してほしいから。日本に生まれ、日本に育ったから。

    以上三嶋亭 五代目当主 三嶌太郎氏のご講演を拝聴し、私なりに感心したこと、得心したことを書かせていただいた。京都の100年を超える歴史を持つ企業の面白さに、またハマってしまったようである。

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    この記事を書いた人
    京都100年企業
    林 勇作

    1965年8月28日生まれ
    大阪市出身

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